毎日お仕事や家事・育児など、ほんとにお疲れ様です。

みなさんが毎日頑張っているからこそ、清掃業で働くわたしたちの知識とノウハウをみなさんにお届けし、みなさんにどうにかゆとりある暮らしを送っていただきたいと思っています。

そんな中、

「洗剤の使用方法通りに掃除しているのに汚れが落ちない!」

「あれもこれも、いろんな洗剤を使っても汚れが落ちない!」

という、掃除の仕方に困っている方から相談を受けることがあります。

汚れに合った洗剤を使っているんだから落ちるはずなのに、どうしてうまくいかないんだろうって不思議に思う方も多いと思います。

実は、洗剤と汚れの相性が合っていればどんな汚れでも簡単に落とせるわけでもないんです。

過去のわたしも、洗剤さえ使えばどんな汚れでも落とせると思っていましたが、いろんな清掃現場に行ってみると多くの現場がそうではありませんでした。

そこで今回は、掃除のプロがやっている洗剤だけの力に頼りすぎない「CHAT理論」を取り入れた「洗浄力をアップさせる方法」「失敗しない掃除方法」を紹介していきます。

いろんな洗剤を持たなくても大丈夫

テレビCMや様々な広告を見ていると、次から次へと新しい洗剤が登場してきています。

けど、必ずしもあなたの暮らしにそこまで必要なモノではないように思います。

今まで使っていた洗剤で納得いく掃除ができているのなら、買い替える必要なんてないし、効果がないと思っていてもちょっと使い方を変えてみたら汚れがよく落ちるようになるということも十分にあります。

わたしも清掃業界で働くようになって、洗剤の使い方をちょっと変えただけで落ちなかった汚れが落ちて「落ちちゃったよー!」って感動した経験がたくさんあります。

新しい洗剤を試してみたい気持ちも分からなくないですけど、手持ちの洗剤でも十分に洗浄効果をアップさせる方法を知ることができれば、無駄にいろんな洗剤を持つようなこともなくなり、経済的にも余裕が生まれてきます。

掃除のプロがやっている「CHAT理論」

掃除のプロは、洗剤だけの力に頼らず「CHAT理論」というものを意識しながら様々な汚れを落としています。

「CHAT理論」とは、

CHAT理論
  • Chemical(洗剤)
  • Heat(温度)
  • Agitation(物理的な力)
  • Time(時間)

    これらを組み合わせて掃除をするという考え方です。

    掃除のプロは、強力な洗剤だけを使って汚れを落としているわけではなく、この「CHAT理論」を活用しています。

    「CHAT理論」はそこまでハードルは高くなく、一般家庭の掃除にも十分に活用できます。

    「洗剤の使用方法通りに掃除しているのに汚れが落ちない!」

    「あれもこれも、いろんな洗剤を使っても汚れが落ちない!」

    などの悩み解消にもつながります。

    「CHAT理論」を活用した具体例を紹介していきます。

    「CHAT理論」

      Chemical(洗剤)汚れや素材の種類にあった洗剤を選ぶ

      ①汚れの種類に合った洗剤を選ぶ

      軽い汚れの場合は中性洗剤でラクに汚れを落とすことができます。

      しかし、ひどい汚れの場合は中性洗剤はまったく効果がありません。

      ひどい油汚れにはアルカリ性洗剤、頑固な水垢には酸性洗剤が効果的です。

      中性洗剤を使っていて汚れが落ちなくなってしまったのであれば、いつまでも中性洗剤を使い続けるのではなく、洗剤の種類を変えてみてください。

      ②素材に合った洗剤を選ぶ

      汚れを落としたいモノの素材によっても洗剤を使い分けると塗装が剥がれてしまったり素材を劣化させずに済みます。

      初めて使う洗剤の場合は、目立たないところでちょこっとテストしてみて、素材の状態が大丈夫なのかを確認してから全体的に使うようにすれば失敗はなくなります。

      汚れの種類に合っていない洗剤でもいつかは落ちるかもと変な思い込みはやめ、汚れが落ちない場合は違う洗剤に取り替えてみてください。

      ③洗剤の濃度を高める

      希釈できるタイプの洗剤の場合、汚れ具合によって濃度を調整することで落としやすくなります。

      ただし、薄めすぎると効果は下がってしまうので希釈の仕方には注意が必要です。

      頑固な汚れに効果が低い薄い濃度の洗浄液を使っていても、汚れはなかなか落ちず、これが限度かなと結局諦めてしまうことになります。

      軽い汚れには低い濃度で十分です。

      頑固な汚れの場合は濃度を高めてみてください。

      無駄な労力を使わなくても良くなるように、汚れや素材の種類、適切な濃度を把握して洗剤を選ぶようにしてみると掃除はラクになります。

      Heat(温度)温めることで汚れは落としやすくなる

      例えば、食器を洗うときに冷たい水で洗うよりも「お湯」で洗った方が油汚れはよく落ちますよね。

      掃除をするときも冷たい水を使うよりも温かいお湯を使った方が汚れは落としやすくなります。

      また、洗剤を温めることで浸透力が高まり洗浄力はアップします。

      熱すぎて触れないほどに温めるのは危険ですけど、人肌よりちょっと温かい40度ぐらいだと掃除に使いやすいです。

      お湯の中に洗剤の容器ごと浸して温めるのも良いし、耐熱性の容器に洗剤を移し入れてレンジで温めてみるのも良いです。

      もしくは、洗浄液を含ませて軽く絞ったクロスをレンジで温めてみるのもオススメで、レンジの拭き掃除をしたいときなどはこの方法が便利なので、ぜひ試してみてください。

      Agitation(物理的な力)擦って汚れを落とす

      適した洗剤の選び方や温度を上げることで汚れを落としやすくしたあとは、物理的な力で擦って汚れを落とすことも必要です。

      軽い汚れの場合は、力を入れずに簡単に拭き取るだけで落とせることがあります。

      しかし、頑固な汚れの場合はつい力を入れて擦ってしまいがちで、いつの間にか素材に傷を付けてしまっていたという人も多いのではないでしょうか。

      最初から全力で擦るのではなく、様子を見ながら繰り返し擦っていくと失敗しにくくなります。

      また、何を使って擦るのかも大事なポイントで、擦る際には素材に傷を付けないようにすることが大事です。

      素材に傷が付いてしまうと、その傷あとに再び汚れが入り込みやすくなり、余計に掃除は大変になり掃除の頻度も多くなってしまいます。

      なので、素材に適した道具なのかも確認する必要があります。

      掃除道具を購入する際には、商品説明に適した素材や使用をNGとする素材などの表記があったりします。

      掃除後に傷が付いてしまっていることに気づきショックを受けないように、力技で落とそうと無理はせず、素材に適した道具なのかも確認するようにしてみてください。

      Time(時間)時間をおくことで汚れは落としやすくなる

      洗剤を吹きかけたり、塗り広げたあとにしばらく時間をおくと汚れは落としやすくなります。

      軽い汚れの場合は時間をおかずにすぐにキレイにすることができます。

      しかし、頑固な汚れになると洗剤を汚れにスプレーしてすぐに拭き取っても、洗剤が汚れに浸透していないので表面の汚れにしか反応していない状態です。

      積み重なった汚れほど洗剤が汚れに反応するように十分に時間をおくことが大切で、時間をおくことで汚れは緩んで落としやすくなります。

      だからといって、壁や床など広い範囲の掃除をする場合は、一気に全体的にスプレーするのはオススメしません。

      広くスプレーしてしまうと洗浄液が長く反応するところとあまり洗浄液が反応しないところとの差が大きくなり、ムラのある掃除になってしまうからです。

      手の届く範囲で進めていくと失敗につながりにくくなるので、欲張らずに少しずつ掃除していってみてください。

      掃除で苦労しないためにも「CHAT理論」を取り入れよう

      掃除のプロが実践している「CHAT理論」いかがでしたでしょうか。

      ずっと汚れを放ったらかしにして頑固に積み重なってしまった汚れは、汚れの種類にあった洗剤を選べたとしても1度洗剤をスプレーしたぐらいでは落ちないことがほとんどです。

      頑固な汚れも一発で落としてしまうような強力な洗剤は、なかなか一般家庭用には販売されていません。

      なぜなら、使用中危険なことが起こってしまう場合があるからです。

      換気をしていても気分が悪くなってしまったり、皮膚がダメージを受けてしまったり、掃除している場所の素材が傷んだり塗装が剥がれてしまうこともあり、使用上の注意がとにかく多かったりします。

      掃除で失敗してしまうと汚れが落ちないどころか、新品へ取り替えが必要なんてこともあります。

      掃除に苦労せず、快適に過ごせるようにぜひ「CHAT理論」を取り入れてみてください。

      あなたの暮らしが豊かになるように、この記事が役に立つと幸いです。

      最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。