独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)にて実施されていた「新型コロナウイルスに対する代替消毒方法の有効性評価(最終報告)」がでましたのでそれに対する弊社の見解を述べさせていただきます。

1.有効塩素濃度35ppmで新型コロナウイルスに有効

新型コロナウイルスに対する代替消毒方法の有効性評価(最終報告) ※資料はこちらをクリック

最終報告の中では新型コロナウイルスが有効塩素濃度35ppmで99.99%感染価減少という数字が出されました。
詳しくは資料の19ページ(次亜塩素酸水の結果のまとめ)あたりに詳しく書いてあります。


そして反応時間も同時にかかれており実験された時間は20秒、1分、5分です。
他にも幾つもの大学や機関(国立感染症研究所、北里大学、帯広畜産大学、鳥取大学、QTEC)がさまざまな濃度、時間で検証されています。
その中でもっとも濃度が薄く、短い時間だったのが35ppmで20秒という数字でした。
それを元にして作られたポスターがこちら。

■表
■裏

厚生労働省、経済産業省、消費者庁の3省庁連名で作られています。
ナイトの最終報告の中に「20秒で不活化」とあるのでそれを元にしたと思われる文章がこちらの2点。

・表面下段の「③少し時間をおき(20秒以上)、きれいな布やペーパーで拭き取る」
・裏面上段の「②次亜塩素酸水の流水で、消毒したいモノに20秒以上かけ流す」

これだけ見ると20秒て意外と長いなと感じますよね。
自分もそう思います。
ここでさきほどのナイトの最終報告に戻ってみましょう。

反応時間の検証で20秒、1分、5分という時間で検証していますが10秒、5秒、ましてや1秒などは検証されていません。
なのでもしかすると1秒で新型コロナウイルスを不活化できているかもしれないのです。
その時間(1秒や5秒など)がないのは不活化出来なかったから出さなかったのでは?という疑問もあると思いますが、19ppmで試験したが感染価減少は99.9%未満であった。
という記載もある為、不活化しなかったから載せなかったというワケではありません。

これに関連する事について次亜塩素酸水を研究されている北海道大学の玉城教授が興味深い事を仰っています。(42分あたり)※一度youtubeに飛ばないと見れないです。

玉城教授が次亜塩素酸水の不活化実験した時の様子を上では話されていますが、ウイルスを細胞に埋め込んで次亜塩素酸水で実験するまで大体30秒掛かると話されています。
続けて実際には瞬時に不活化されて検出不可能なレベルになるだろうとも。
ナイトの最終報告では不活化まで20秒とある為、3省庁合同でのポスターでは20秒という無難な数字で表記されたのではないかと思います。
ですが実際には35ppmの有効塩素濃度で瞬時に不活化すると考えられます。

2.ヒタヒタ、掛け流すという表現について

3省庁合同のポスターには

テーブルを拭く時、次亜塩素酸水をヒタヒタに濡らして下さい。
またコップなどを除菌したい場合は生成器から掛け流しで使って下さい

と書いてあります。
これらの根拠になると思われる数字はナイトの最終報告の中にあります。

北里大学での検証結果
ウイルス液と次亜塩素酸水液の比率が1:9では不活化が見られなかった。

それに対して他の大学
ウイルス液と次亜塩素酸水液の比率が1:19では不活化した。

とあります。
詳しくは資料を御覧ください。
こうみると次亜塩素酸水の液量が多い方が効果があるとわかります。
それを鑑みて「ヒタヒタ」「掛け流し」が必要だという表現になったのだと思います。
次亜塩素酸水は有機物に反応するとすぐに水に戻るという性質がありますが、ウイルスに次亜塩素酸水が到達するまでに他の有機物に反応してしまっているという見方もできます。
(量が少ないと他の有機物に反応してしまって効果がなくなる。量が多いと他の有機物に反応しても残りが到達してくれる。)

次亜塩素酸水を持っている方は手にスプレーをしてみてください。
その後手のひらのニオイを嗅いでみてください。
おそらく塩素臭はしないと思います。

そしてまたもう一度スプレーして、ニオイを嗅いでみてください。
今度は塩素臭がすると思います。
これは1度目のスプレーで手のひらの有機物(汚れなど)がなくなったということで、
(手が極度に汚れているとか、有効塩素濃度が30ppm以下とかは除きますが)
2度目のスプレーでは1度目のスプレーでほぼ有機物がなくなったので、今度はしっかりと塩素が残っている、という事だと思います。
自分は専門の教授ではないので定かではありませんが恐らくそういう事だろうと思います。
確かめてみると分かると思いますが、ヒタヒタ、掛け流しまでの量は決して必要ないでしょう。

手が汚れた状態で、アルコール消毒をしようとする人はいないと思います。
まずは手を洗いますよね。普通は手を洗った後アルコールをします。
そしてアルコールであっても手が汚れていたら効果は激減します。

飲食店を経営している友人のお店で以前こういう相談を受けた事があります。
友人「メニュー表がくさいのよね。アルコールでいつも拭いているんだけど」
私「アルコールは汚れを除去する力はないから、まずは汚れを除去してからがいいですよ」
そしてアルカリ電解水をメニュー表にスプレーして拭きあげました。
そして再度ニオイを確認すると、ニオイがまったく無くなっていました。
友人は喜んでアルカリ電解水を購入することになりました(笑)

アルコールは万能と思われがちですが、アルコールも次亜塩素酸水も汚れ、有機物を除去してからでないと100%の効果は発揮しづらいということがわかります。

また3省庁合同のポスターに

 

拭き掃除には80ppmを使いましょう。
元の汚れがひどい場合は200ppm以上のものを使いましょう。

と書いてあります。
これも汚れていたらとりあえず濃いめのを使ったほうがいいよ、という言い回しです。

経済産業省の担当の方がそのように仰っています。2:06:00あたり
80ppm、200ppmという数字はナイトの最終報告にはありませんが、3省庁のまとめでは大体それくらいでいいんじゃないか、となったのではないかと思います。
実験で得られた数字ではないという事がわかります。

3.吸入しないように、注意して下さい。ゴム手袋などを着用して下さい。について

3省庁合同のポスターの表面に

・人が吸入しないように注意してください。人がいる場所で空間噴霧すると吸入する恐れがあります。
・濃度が高いものを使う場合、直接手をふれず、ゴム手袋などを着用して下さい。

とあります。
そしてポスターの裏面、下の方の※の一番上の3行目をよく見てみてください。

※なお、本評価作業は対象物と接触させて消毒する場合の効果を評価したものです。
手指等への影響、空間噴霧の有効性・安全性は評価していません。

と書いてあります。
裏面では手指等への影響、空間噴霧の有効性、安全性は検証していないのに表ではダメだと謳っています。
これはさすがに矛盾していると思います。
危険性は実験していないのにダメとは言えないはずです。

ここでナイトの検討委員会にも入っている三重大学大学院 生物資源学研究科の福﨑教授の実験があります。

次亜塩素酸水溶液の効能・空間噴霧の効果と安全性 ※クリックでリンク先に飛びます。

詳しくは見てもらえばわかると思いますが、ここでは要約させていただきます。
空気中の塩素ガスの安全基準は0.5ppm=500ppbです。
※人間が吸入しても安全なレベル
これに対し次亜塩素酸水を空間噴霧しての空気中の塩素ガス濃度は270cm付近で7ppb、床面でも20ppbです。
密閉空間でも最大で120ppbまでしか上昇しません。
安全基準の4分の1なので人間がいても大丈夫だという事がわかります。

それではその状態でウイルスや菌が不活化、除菌できるのか、というデータも出されています。
こちらもA型インフルエンザウイルスで実験されていますが、空間噴霧で10分後には不活化、検出限界以下までなっています。
また噴霧粒子の吸引毒性についてもラットやマウスなどで沢山の安全データが出されています。

では人間に対してどうなのか。
弊社では次亜塩素酸水を扱ってきて10年ほどになります。
病院や老人ホームのお客様施設ではインフルエンザやノロウイルスが流行る時期に噴霧器を利用し施設内で24時間噴霧されていますが、健康被害は一切起こっていないそうです。
むしろ、次亜塩素酸水を噴霧をするようになってからインフルエンザやノロウイルスがほとんど出なくなったとおっしゃってくれています。
偶然、たまたまで10年間無いと片付けるにはあまりにオカシイよね。と担当者の方もおっしゃって下さいます。
実際弊社でも事務所で噴霧していますがなんともありません。
さらに自宅でも噴霧したまま寝たりしますが、まったく問題ありません。
これは弊社だけではなく、色々なメーカーさんやユーザーさんが身を持って実証、実感されている事だと思います。

4.次亜塩素酸ナトリウムとの違い

ただ、インターネットなどを見ていると、手がはれた、赤くなった、頭痛がする、気分が悪いというコメントを見ることがあります。
これはおそらく次亜塩素酸ナトリウムを薄めて手にスプレーしたり、噴霧器に入れて噴霧していたりするものだと思います。
実際にそのような商品が販売されているのは我々も承知しています。

次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウム。
次亜塩素酸までは同じ名前なので混同する方がいたとしてもおかしくないと思います。
なので次亜塩素酸水を購入する時は、原料をよく確認するようにして下さい。

次亜塩素酸水の作り方は様々あります。下図はナイトから。

電解型と言われるのは食塩または塩酸を電気分解して作る事です。
非電解型の混和型というのが次亜塩素酸ナトリウムと希塩酸を混ぜてつくるタイプです。
厄介なのが、次亜塩素酸ナトリウムは人に使ったりすると危険なものなんですが、希塩酸と混合してつくられた次亜塩素酸水は大丈夫になるということです。

これが案外一般の方はわかりにくい、戸惑う事になるのかなと思います。

原料に「次亜塩素酸ナトリウム、水」と書いてあるものは次亜塩素酸ナトリウムを薄めただけのやつなので人体に使用するのは危険です。※これであればご家庭でもハイターなどを希釈して作れます。

原料に「次亜塩素酸ナトリウム、希塩酸、水」と書かれてあれば次亜塩素酸水になり、これは安全です。

弊社で製造している
除菌ジアカインドは原料「希塩酸、水」です。
除菌JIA+(ジアプラス)は原料「塩、希塩酸、水」です。
どちらも電解型であり、当初から厚生労働省が定めている製造方法になります。

一般に販売されているものには原料や成分が書かれていなかったり、不明瞭だったりするものが多数あります。
安心して使用する為には原料、成分、濃度(ppm)、ph、消費期限等が記載されたものを購入されるのをオススメいたします。

うちの商品ページですが詳しく書いていますので良かったらご覧ください。

5.まとめ

政府が発表した内容に反対して、次亜塩素酸水を売りたいだけじゃないのか、と思われる方もいらっしゃると思います。
ですが、さまざまな資料をよく読み、実験したデータをよく確認してみると大丈夫なデータがいくつも見つかります。
むしろ危険だというデータはほとんどありません。
さらに次亜塩素酸水ユーザー、お客様、我々自身が安全だと確認し、ウイルスや菌に対して有効だと身を持って体験しています。

だからと言ってムリに使ってくださいとは言いません。
色々なデータを見て、人の意見を聞いてご自分で納得した方だけが使われる、でいいと思います。

現在進行系で使用して下さっている病院の担当者さんと先日お話しました。
「次亜塩素酸水を使いだしてからインフルもノロもここ何年も出ていない。次亜塩素酸水はいいものだと思うけど国からこう言われちゃね。。。」
病院だと厚生労働省から言われたら余計使えなくなるものだと思います。
さらには外来の患者さん、お見舞いに来られる方も沢山いらっしゃいます。
そういう方々からも非難されるリスクを考えると使いづらくなるのは仕方の無いことですよね。

ナイトから5月末に発表された内容はテレビやネットでの誤報もあり空間噴霧は危ない、次亜塩素酸水は危ない、効果がない。
そういったものでした。
同時に大手メーカー製のアルコールも店頭に並びだし、それからほとんどの方が次亜塩素酸水を使用しなくなり、また空間噴霧も行われなくなりました。
7月8日現在、東京では新型コロナウイルス感染者数100人超えが数日続き、各地でも第2波がきたように感染者が増え続けています。
さらには自然災害により避難所に集まる方々。
ソーシャルディスタンスを保ちたいけど保てない。
密閉した空間に何十人、何百人がいる状況です。

こんなひっ迫した時こそ次亜塩素酸水の空間噴霧が必要だと思います。

空間噴霧というのはよく勘違いされますが、空気中のウイルスを不活化するのが目的ではありません。
空間にあるテーブルや椅子、ものなど全てを除菌する為に噴霧しているのです。
実験でも空気中のウイルスよりモノに付着しているウイルスの方が多いとデータが出ています。
アルコールでテーブルや椅子は拭けますが、テーブルの足、机の中、壁など全て拭けませんよね。
さらには人が触ったあとすぐ、拭かないと効果がありません。
ウイルスは人⇔人はもちろんですが、人⇔モノ⇔人も感染の原因になります。
マスクや手洗いで感染リスクはかなり減らせますがそれでも0%ではありません。
次亜塩素酸水を噴霧すると微細粒子があらゆるところに付着します。
それが噴霧しつづけている限り付着し除菌し続けます。
決してアルコールが悪いというワケではありません。
マスクを付け、手洗いをし、アルコールや次亜塩素酸水で除菌しつつ、次亜塩素酸水の空間噴霧も行い、感染リスクをかぎりなく0%に持っていこうよという話です。
コロナという脅威に勝つにはあらゆる対策を考慮した方がいいと思います。
次亜塩素酸水は日本が開発した素晴らしい技術です。
それが変な誤解を受けて使われなくなるのはあまりに勿体なく悲しいです。
皆さまがご自分で考え最良の選択をされる事を望んでいます。

有限会社クリンシア
代表取締役中堂薗孝二